Cottons Debut!/Stuck on A Cappella

2002年前半の大型イベント2連発。
凄い顔ぶれに囲まれるシアワセを満喫!

★ということで★

~PenguinFishの男声な週末~
(潤)の顛末記

例によって馬鹿な長文をどうぞ。

2002年2月15日(金)

思い起こせば本番前日、15日の夜。渋谷で辛気臭くもテンション高めの練習を済ませた俺たちは、珍しくも呑み屋に直行せず渋谷駅前に向かった。出会って3ヶ月足らずで盟友という感じの、つまりはおもろい奴ナカチョがリーダーをやっている「クレーム・ブリュレ」というバンドが決行しているらしいストリートを応援するためだ。しかしこの日はまったく洒落にならないくらい寒い。いくらメンバー(の半分)が若いとはいえ、こんな日にこんな時間までやってるもんか…? などという懸念をよそに、しっかり歌ってる面々をすぐに発見。しかしさすがに世間の風は冷たく、渋谷の人々は
もっと冷たい。っていうかこの寒さじゃ仕方ないが、見事にだれも立ち止まっていないぞ。こういう時のストリートって寒いんだよなぁ…

心が。

というわけで、こちらも頑張って応援団となる。しかし、渋谷の一般ピープル並みに根性がない
わがリーダー@特に名を秘すは、とたんに腰砕けな態度となって「寒い寒い」を連発していやがる。なんてこった。その態度を見て気持ちがめげてしまったのか、ストリートはすぐにお開きとなってしまった。
貸していた機材と借りる機材の両方を預かる。そう、明日の「コットンズ」とのストリートの機材の半分はナカチョの提供なのだった。こういう
細かな個人負担が実はアマチュア・アカペラ業界を支えていたりするのだな、などと思いつつ帰る。明日も同じ場所でストリートだ。「今日は2時間以上何も言われなかった」と言っていたが、明日はもっと時間が早いのが不安材料だ。おまけに今日のこの寒さ… まぁ、当たって砕けろ、だが。


2月16日(土)

朝起きてびっくり。
すごい上天気のうえ、風もないとは。コットンズのメンバーにとんでもない晴れ男が居るに違いないと思いつつ、これで寒さに泣きながら歌う羽目にはならないぞと、まずは運を天任せの第一段階はクリアだ。

家を出てから渋谷に着くまでが第二関門。そう。今日は機材が2台あるので、1台はどうしても我が同居人に担当していただかねばならない。そして、渋谷に着くまでには
都合9回約250段(推定)の階段を、決して軽くはない機材を抱えて上り下りせねばならないのだ…。をたくな同居人を持つと、こういうところで思わぬ悲劇に出会うといういい例だ。

まぁ、諦めてくれ。

というわけで、普段には無い妙な連帯感を帯びつつ
(なんたって、人が重い荷物を引きずっていようが何だろうが、歩調も合わせずひょいひょい先に行きやがるし、電車には駆け込みやがるしという奴なのだ、うちの同居人はブツブツ
普段より1時間近く早く家を出る。これは大正解で、約50分後に渋谷に着いた時は、二人ともしっかり息が上がっていたのを、40分ほど
まったりと雑談しながら整えることができた。練習場に5分ほど遅れたのは、単なるボンヤリ&後からきたみずえと談笑していたせいだ。

すまん>皆。

練習場のサイトウスタジオ前で、同じ場所で練習していたコットンズの面々とすれ違いつつ会場へ。

やや泥縄的練習
があっという間に終わり、渋谷駅前に移動。機材を準備しているうちに、何となく知った顔ぶれがチラホラと見え始め、いつの間にかコットンズが歌う体制に入っていた。慌ててビデオの録画ボタンを押すが早いか、つっきぃの第一声。雪崩のようにストリートは始まったのだった。じゃーん♪

…うーん、さすがデビューと言えども場慣れしたメンバー揃いのコットンズ。1周年を目前にしても、いまだに
何となく練習バンドの雰囲気漂う我々とは格が違うなぁ。男声5人にしては軽めのトーンも、歌系バンドのカラーを良く出していると思いつつ、聞く。グループ名の由来が

「ナイロンズのパクリで…」

などと言う話に「そうだったのか!」などと感心したりしているうちに我々の出番であった。



自分らの出番については、

例によって

なんも覚えていない。というより、やばいことは極力脳味噌に残さないよう心がけてるのだ。それでも、うーんやっぱり小型機材は鳴ってくるのに時間がかかるなぁ、とか、
失敗する可能性のあるところは失敗するマーフィーの法則であることだなぁ、とか、うーむやはり軽めの曲が続くと人が去るなぁ、とかいうネガティヴなことは頭に残っていたりする。楽しかった記憶がコッテリと残るようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。あっという間の30分。コットンズの第2ステージ。ぶらうにぃのよしえさんと談笑したりしつつ聴いているうちに、すぐに自分らの出番だ。

さて、さすがに同じネタが2巡目ということで、お客さんもまばらになってきたし、なにより

何となし嫌な予感

に襲われて、少し急いた進行にしていたら、

やっぱり来た。

歌っている目の前を

「苦情が出ないうちにやめてくれ~~」

と言いながら通り過ぎる制帽のおっさん…。ちょうどステージは半分を通過したところ。ともかく今やっている曲だけでも終わりまで行こう、と思っている間もなく、すぐに本物の調書取りがやってきた。

…あっ

という間に撤収。

こういう時は小型機材は楽であって、撤収までわずか数分、という素早さだ。2回めのほうがさすがに歌は乗ってきていただけに残念だったが、たぶんそれも原因なんだろうな。うーむ、やはり渋谷の風も冷たいぜ。どっかに「うちの前だったら3時間でも4時間でも歌ってていいぜベイベ」などというファンキーな店はないもんか。(ないって)

気を取り直して呑み会。
いつもの「がんこ爺」に入ったら、BBQのまっちゃんが参加していたというゴスペルサークルの面々が、やはり本番後の打ち上げをやっていた。わけのわからない大盛り上がりとなり、こちらもつられて明日のことは忘れた単なる酔っ払いとなっていった俺…

2月17日(日)

そして気がつけば朝である。何故かちゃんと家に帰って着替えて寝ているあたりに、
生物の帰巣本能というものを見る俺だ。おまけに何故か真っ当な体調だったのを喜びつつ、本番当日だってのについ手拍子で入れてしまったALUMINUMの練習へ。いつものように、2時間一本勝負でガンガンに歌った後、軽く腹ごなしをしてから
(ALUMINUMの練習はホントにエネルギーを消耗するのだ)

別所でやっていたペンギンの練習に合流。ちょっと広めのカラオケボックスでの練習だったが、なかなかいい感じ。生声だと変な無理がなくて楽な音が鳴る、と感じるということは、まだまだPAとの付き合いに慣れてないってことでもあるのだな。しかし、こういう時に歌っていると、あっという間に時間が過ぎる。練習の効率の悪さというか、

やればやるだけボロが見つかる

哀しさというか。しみじみしつつ練習を終え、江古田へ。

ちょっと買い物をして会場につくと、Stuck&スタック・サービス(笑)の皆さんのリハーサル中であった。うーん、今日はこの人たちと一緒にやるんだなぁと思い、やや緊張。自分たちのリハーサルは、結局一回通して歌っただけという感じ。前で見ているStuckのメンバーや、早く来たお客さんの視線やら表情がいちいち気になる。やっぱり一応お金を払って来てもらっていると思うとね…。ありゃ、

明らかに呆れられてるな


と思った瞬間もいくつかあり。
どこだかは内緒だが。
聴き終わった
うみねこやのかわさん
の一言目は

「キミタチは信じた道を
ツキススンでくれたまへ」

であったな。

うーむ。

含蓄を感じるなぁ(泣)。



気を取り直して、本番。



俺が怪しいサングラス男になっているのは、
前日のストリートで

「目が怖い」

と某Oちんに言われてしまったことへの反省及び考察によるものだ。ちなみにゆたかさんだけサスペンダーが無いのは単に

忘れた

だけである。

さて、すでに録音物を聴いてしまった自分としてはあまり多くを語りたくない(笑)。打ち上げの時にokuさんが

ニコニコしながら


「やっぱり歌はブレスだよね」


と語っていたのは、我々の歌への大いなるsuggestであったことに、後から気づいた俺であった。やっている最中に気づくことが少ないってのは、やっぱり場数が足りんのだよな…。雰囲気は、思ったよりも悪くないんだが、今の俺らの歌では聴き手が安心できない部分が多すぎるな、と
かなり強く
反省しているところなのであった。…というのは後日の話で、やっている最中はひたすら他メンバーのテンションと戦っていたのだが(^_^;)。すうじぃに

「ソロの時は人格が変わる潤哉さん」

と言われたのは、きっとそのへんのテンション無駄使いが原因なのだ、と思うことにする。




さて、本番が終わって最初にしたことは、

当然

カウンターに行ってビールを注文することだ。同居人と一緒にまずは呑む。調整卓を覗き込みながら呑んでいたら、PAのかたに話しかけられる。昔はサーカスのPAを手伝っていたとのことで、懐かしかったとのこと。いやあのその(同居人風)。それはともかく、ようやく一息ついたところでStuckのステージが始まった。
1曲めはノン・マイクのア・カペラ。

やられた、と思った。

いや、対抗意識とかではなくて、この狭いハコでノン・マイクという発想に頭が行かない余裕の無さがいかんなと。Try to remember なんかはそれこそ生声でやれば良かったのだ。うーん、やっぱり場数と余裕が足りんぞ、俺たちは。

などというショックはさておき、Stuckのアカペラは文句なしに楽しめた。



力の抜けたテンションというか、聴いていて身体と頬が緩んでくる歌。こういうものが聴こえてくると、こちらも力んで聴くのが馬鹿らしくなるわけで、つまりは

ビール漬けでニコニコと聴く観客

という理想的状況となるのだ。これじゃないとねぇ、ライヴは。実力ももちろんだが、状況を作る、ということに関してはど素人ってことですな、我々。しかし、素敵な音にそういうイラダチも忘れて気持ちよく酔っぱらわせていただきました。ごちそうさまです。って俺らも一応共演者なんだが…

そんな本番の後の打ち上げは上機嫌でないわけがない。最後のほうはいい加減酔っぱらって、あっちのほうから


「また同じ話してるよ(笑)」

と言われるようなロレロレ状態であった。ぱくちー&ガーターのももちゃんと大変楽しく呑んだ記憶がある。なんかあっちのほうでは同居人と某NがXxーしてたらしいが、お互い上機嫌なんで

気にしない

ことにするのだ(笑)。阿仁さんと、特にokuさんの満面の笑顔も印象に残った打ち上げだった。タクシーで帰宅。ももちゃんは高円寺だったし、StuckのDecaさんにいたってはうちから徒歩5分の距離に住んでいることも判明。世の中狭いぜ。

2月18日(月)

翌日は
疲れで会社も休み、Webの更新などしつつ、ゆるゆると過ごす。しかし、早くも夜にはあたりくんがレッスンに来たり、さのっちが4月のイベントの打ち合わせに来たりと、次なる事態がもう動きだしそうな予感があるわけで、どうもこの春はまだまだ濃そうな予感なのだった…

さて、次は何かなぁ♪

(潤)


付録:

東京アカペラ界事情に疎いかたへの
固有名詞説明

ナカチョ:
最近何かと話題の有能アレンジャー&プレイヤー。「彼女募集中」と本人は言っているが…

特に名を秘すわがリーダー:
「同居人」という名前でも文中に登場。

コットンズ:
バンド初体験の一人を除く全員が別グループのリーダー経験者という濃い男声バンド。

サイトウスタジオ:
渋谷郵便局の向かいにある音楽スタジオ。5年前くらいからジリジリとアカペラ・ファンの根城に成り果てつつある。

ナイロンズ:
別に何かが100%なわけではない(と思う)。

マーフィーの法則:
言い訳に便利な法則のひとつ。

ぶらうにぃ:
女性4人とベース1人のア・カペラ・バンド。ベースのとくちゃんは超ベースとして特に有名。

小型機材:
TAXI TX-30という充電池内蔵のアンプ付きスピーカー。ストリート・ライヴにはもってこいの一台。我々はもっぱら2台をパラで使う。

がんこ爺:
サイトウスタジオの近くにある安い居酒屋。安さもさることながら、時々近くを走り回るゴ××リの多さでも有名。

BBQ:
東京に限らず、とっても有名な男声ア・カペラ・バンド。現在はメンバーの一人の転勤に伴い、あまり活動していない。

まっちゃん:
BBQのベースを担当しているイイ男。

ALUMINUM:
もしかすると日本唯一かも知れない常設バーバーショップ・カルテット。なぜかバリトンの俺がリードをやっている。

ペンギン:
っていうかこのページで説明するなよ。

江古田:
今回のライヴの会場「Pineapple County」がある西部池袋線の駅。M音大というマンモス音楽大学があることで有名。

スタック・サービス:
Stuckのライヴに彩りを添える奇麗どころの総称。あれ?男もいたっけか。

うみねこやのかわさん:
関東ア・カペラ界中1・2を争う有名バンドのバンマス。いつもお世話になっております。

okuさん:
Stuckの3rd担当。といいつつ声はどう聞いてもテノールだと思う。2ndのTeruさん曰く「この日みたいに機嫌がいいのは珍しい」とか。

すうじぃ:
ペンギンフィッシュのテーマの草案&作詞者。目がねこぢるな人。

サーカス:
別に「天然の美」とは関係ない有名なコーラス・グループ。

ぱくちー&ガーター:
「面白系だがよくハモる」(byすうじぃ)混声バンドと、まだいろいろなことが謎のヴェールに包まれた女性バンド。もちろんア・カペラ。

ももちゃん:
スタック・サービスの一員にして前出2バンドのメンバー。異常な低音やら凄いボイパやらという決め技芸をもった女性。

阿仁さん:
Stuckのリーダー。どうもとても面白い人であるらしい。山下洋輔を師と仰ぐという、俺との強い共通点を持つ。

Decaさん:
Stuckのベース。身長でかい。声低い。しかしリードも歌ってベースも弾く。格闘技ファンでもあるらしい。

あたりくん:
@Easeのベース。バンドのお休み中、丁稚として我が家に奉公に出されているかわいそうな人。

さのっち:
JUNKというバンドのリーダーでコットンズのメンバー。冬場の服装がパディントンに似ていると思う。


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